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2018年 6月 12日 受験勉強の視野領域
こんにちは、担任助手の上野です。
今回は、現在、私が研究で取り組んでいるテーマを絡めて、受験勉強における意識のポイントについて話したいと思います。
皆さんは視野について考えたことはありますか?
人間の視野は大きく2種類に分類できると言われています。
私たちが何か物を見る際、その視線の中心付近は中心視野領域と呼ばれています。
また、その周囲の領域は周辺視野領域と呼ばれています。
この2種類の視野の違いは何でしょう?
実は、これらはただ名前が違うだけではなく、それぞれに明確に異なる役割があります。
自分の部屋で単語帳を見ているときを想像してみてください。
視界の外側、壁の方で、
カサカサ…
と、いや~な動きが感じられたとき、あなたはどうしますか?
もちろん、その動きの主を確認しようと頭を振り向けるはずです。
その動作に、それぞれの視野領域の役割の違いが表れています。
視界の外側である周辺視野領域では、速度変化の知覚に優れています。
つまり、物の動きを感じとりやすいということです。
しかし、その代償として鮮明に物を知覚することはできません。
そのために中心視野領域があります。
視線の中心付近では、物を鮮明に見るために、色や形の判別に特化しています。
だから、周囲から迫る危険(いや~な動き)を察知し、即座に頭を動かし、なるべく視線の中央に物(動きの主)を持ってきて正体を確認しようとしたんですね。
ちなみに、これら二つの視野特性の違いは、光を感じるための2種類の細胞(光受容細胞)の分布によるものと言われています。
このように、人間の視野領域は「見る」ために、それぞれ2つの範囲で役割を分担し、相互に補っています。
これらの事実は、視野領域のみならず、受験勉強でも同じです。
ある科目・分野について、最終的に「試験本番で解けるようになる」という目的のためには、「英語における知識&読解力」「数学における基礎&応用」など、複数の要因が必要です。
そして、その複数の要因は視野領域を同じく相互に補っているため、どちらかが欠けると目的を果たすことはできません。
それぞれの要因を意識するだけではなく、その役割に合わせた勉強法が必要となってくることは言うまでもありませんね。
これらは、ごく当たり前の事実ではありますが、皆さんの普段の勉強はどうでしょうか?
目的を達成するための要因を分け、それを意識しながら勉強できていますか?
それぞれの要因の役割は分かっていますか?
勉強を進めていて、何をしているのか、何をすれば良いか分からないと感じたときに、視野を広げるためのきっかけになれば幸いです。
担任助手 上野貴大