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2018年 7月 2日 ライブ授業紹介⑤ 東大英語
森田鉄也先生の【本科東大英語】紹介
こんにちは、東京大学文科三類2年の青木と小川です。
私達からは、森田鉄也先生の[本科東大英語]について紹介させていただきます。
まず青木から紹介します。
この授業は基本的に演習形式です。先生が作ってくださった東大レベルの問題(リスニングも含む)を解き、直後に解説を聞くという流れです。
この授業で特によかったと思うのは、英作文です。先生は生徒が解いた英作文をその場で添削し、生徒の答案をもとにニーズにあった解説をしてくださいます。
英語の得意不得意に関わらず、英作文でミスが多い、時間がかかるなどの悩みを持っている人は多いのではないでしょうか。
それは和訳や読解問題と違い、英作文が「知っている」ことでだけなく「書ける」ことを問う問題である点が大きいと思います。「知っている」と「書ける」には大きな隔たりがあります。
書けるようになるには書く練習をするしかありません。先生は解説で、間違えやすい表現や使いやすい表現を教えてくれます。私はそれをノートに書き留めて復習していました(←「知っている」状態にする)。
そして、次の授業の前に確認して授業内の演習時に使う、演習後に問題を解き直す時に使うなどして、なんどもアウトプットを重ねていました(←「書ける」状態にする)。
授業では、絵や写真を説明するもの、手紙の続きを書くもの、質問に答えるものなど様々な問題が出されるので近年の出題傾向の変化に動じない真の「英作力」がつけられると思います。
5月の段階から英作を書くというアウトプットが訓練できるのは高卒生にとって大きな強みだと思います。それは、現役生は高卒生よりもインプットに大きく時間を取られるためです。
この授業は英作文の基本的な解き方から細かい表現まで網羅できる数少ない授業だと思います。
授業の題材と先生の解説を駆使して英作文を自分の味方につけてください。
次に小川から紹介します。
青木先生がこの授業について書いてくれた際には、英作文演習の有用性などに重点が置かれていたかと思うので、僕からはこの授業の活用の仕方について、1つ意見を書いていきます。
そもそも東大英語って、何が難しいんでしょうか。
他の大学と比べた場合、文章のレベルが高いかというとそうとは限りません。
東大側で、原文の難単語を易しい表現に変えてくれている年もあります。
総体で見れば、読解そのものの難易度は特筆するほど高くない。
ではなにが受験生を苦しめるか。それは、問題量に対しての回答時間の短さが大きいでしょう。
さて、これを前提に何が言いたいか。
この授業は、このタイムマネジメント能力を高める場として非常に有用であるということです。
さて、ではそもそも、タイムマネジメント能力とは何か。
これに関しては、
「自分の読解能力の正確な把握を前提に、問題の難易度・所要時間を判断する能力」と言えるのではないでしょうか。
では、この能力はいかにして伸ばすことができるか。
例えば、こんな方法が有効かもしれません。
未知の問題に本番さながらの緊張感で向き合う経験を積む。そして、その演習において、問題の難易度をどう認識し、どれだけの時間をかけるべきだと考えたのか、それがどの程度妥当だったのかを確認する。そして、時間を置いて改めてその問題を解き直す。限られた時間内に解き切る経験を蓄積する。
さて、一例を紹介したところで話を授業に戻します。
この授業では、リスニングを含め、要約・文法・英作文・長文読解など、東大の出題形式・傾向に即した形で、多様な角度から受講者の英語の実力を問うてきます。大学受験のみならず、TOEIC等数々の英語試験に精通した森田先生は生徒の弱点・出題者側の心理を熟知しており、出題される問題は非常に練られたものです。そして英作文の厳しい添削に見られるように、授業で要求されるレベルは高い。それゆえに生徒の「常識」のレベルが上昇し、日々の学習への意欲や学習そのものの質が向上していく様は、担任助手として生徒のコーチングをしていて驚かされるばかりです。そして、この高品質な演習の場を定期的に体験できる、というのは貴重です。
上記の能力養成サイクルを回す上で、この授業は一つの軸に据えることができるでしょう。
生徒の皆さんは、毎回この授業に対して、
・読解における思考プロセス/方法論
・英作文
・全体のタイムマネジメント
この3点について毎回自分で課題を設定し、改善に向けて実験を繰り返す場として利用することをお勧めします。(抽象度の不均一さには目をつぶってください…)
先生の指摘は厳しいながらも的確であり、問題点の明確化が難しい語学という分野において、欠点の鮮明化を助けてくれます。授業で顕在化した問題点を改善するためにどうしなければいけないか、毎回目的意識を持ち、日々研鑽を続けましょう。
「利用」できれば確実に成長につながる授業です。自分のために、授業への向き合い方をカスタマイズしましょう。
受け身の姿勢では、得られるものも得られません。
受験まで、このことはあらゆる面において当てはまります。「能動性」は一つのキーワードとして、どうか心に留めおいてください。
少しでもこの記事が助けになれば幸いです。
青木・小川