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2023年 12月 23日 行動の目的
担任助手1年の黒田です。
最近はインフルエンザだけでなく、アデノウイルスといったアルコール除菌では殺菌することのできない病気が広がっていますから、こまめな手洗いうがいも欠かさないようにしましょう。
さて、今回は私が受験期に読んだある本に書かれていたことをちょっとした寓話を用いて、皆さんと共有したいと思います。
ある所に水車を用いて粉挽きをして生計を立てている人を想像してみてください。その人は水車を良く動かすことに関しては知悉していましたが、ある日、水車自体が動く理由を知ろうとし、分析に分析を重ねた結果、ついに問題は川にあることを発見しました。
以来その人は水車を捨ておき川の研究に専念するようになり、その結果、水車の整備は為されず、粉ひきに支障をきたすようになってしまいました。
この行動を否定する人に対し、その人はどんな水車でも水が無ければ粉をひけないのだから、水流の流れすなわち、川を知らなければならないのだと答えるのでした。
この反論は論理的にはみると何ら問題はないですから、反駁するのは難しいでしょう。しかし、実際には彼は粉挽きすらままならない状態に陥ってしまっています。
ここでの彼の問題点は目的と行動のズレにあります。
如何なる行動よりも重要なのは行動そのものよりも、その行動が目的達成のためのロードマップ上で占める地位です。
つまり、実践的で利益になるような行動をするためには、その優先順位を認識しなければならないということです。論理的に考えるというのは理性的であり正しく思えますし、事実それ自体は間違っていないのですが、只々目的との関連性を考えずにおこなった分析に基づく行動というのは無秩序で不合理な活動で終わりかねません。
全ての行動に共通する目的に結びつかぬ行動は、たとえどんなに論理的思考に基づいたものであっても、不合理なものです。
こうした順序と関連性というのは目的に対する理解によってのみ与えられます。正しい認識と理解が個々の行動に然るべき意義と方向を与え、その意義の重要さに応じて振り分けることを可能とします。
私たちのする学習、勉強が私たちの学力を規定するのではなく、学力についての認識が学習と認むべきものを規定しているのだとも言えます。
決して努力が無駄な訳ではないのですが、その方向性を誤ると遠回りになってしまいかねません。何が必要か必要でないかをよく考えてみてください。
とはいえ、誰もが最短、最高率で勉強できる訳ではありません。私に関していえば、この時期は精神的に不安定で登校できない日もあり、そういう意味では遠回りの連続でした。何かに行き詰まった時はしっかりと休息をとりましょう。
これからの時期は特に時間的不安から闇雲に勉強をしがちですが、焦りは禁物です。今まで勉強してきた自分に自信をもって漸進していけば良いのです。皆さんの努力が結実するよう応援しています。