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2022年 12月 10日 生存者バイアスに注意する
こんにちは! 担任助手2年生の坂本龍之介です。
突然ですが、下の図を見てみてください。
これは、戦闘用軍用機が空母に帰還した際、被弾した箇所を赤い点で示した図です。
ここから効率よく飛行機の装甲を強化するにはどこを補強すればいいでしょう?
答えは、赤点の付いていない場所、白い部分です。白い部分を被弾して帰ってきた飛行機は存在せず、この赤い点以外を被弾した飛行機は致命傷で帰還できなかったということが推測できます。つまり、強化するべきは「赤い点がない白い部分」である。という問題です。
これらの考え方は【生存者バイアス】と呼ばれ、実際の成功事例だけに注目し、「その方法と同じことをすればいい」と考えるのは、「同じ方法を試みて失敗した事例を考慮できていないのではないか」という考えです。
では、実際に受験で同じことを考えてみましょう。Aさんは一歳年上のBさんと仲が良く、今年受験をするAさんはBさんに勉強のやり方を教えてもらうことにしました。Bさんは「あそこの大学の過去問は1年しか解いてないけど受かったよ」と言ったのでAさんもそうすることにしました。この場合、過去問を1年しか解かずに落ちてしまった人のことを考慮できていないという点で生存者バイアスが発生しています。このように、成功者だけの意見を鵜吞みにしてしまうことは危険だということです。
12月になって不安になり、先輩や合格した友人等の身近な人や担任助手に勉強方法などを質問する気持ちは分かりますし、良い事だと思います。しかし、そこでその人たちの意見を妄信するのではなく、その人たちがあくまで一部の特殊な事例であるという可能性を考慮しましょう。そして、彼らがどうしてそのやり方を選んだのか、その人がそのやり方で成功した要因は何か、自分にそのやり方は合うのか、などを考えて自分の勉強に反映できるようにしましょう。
皆さんが空母に帰還できることを願っています。ありがとうございました。