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2020年 8月 21日 大学受験と”リーガルマインド”

担任助手1年の大類基哉です。

 

私は受験生時代、国公立大学を志望していました。

国公立大学の入試というのは概して、記述問題の割合がその多くを占め、上位の大学になればなるほどよく練られた「良問」が出題される、というのは受験生である皆さんのよく知るところだと思います。

 

結果として私は慶應義塾大学の法学部法律学科に進学したわけですが、法律科目の初回の授業で、法学部で学ぶ意義についての話を聴きました。その中でもとりわけ、法学部とは「リーガルマインド」を身につける場所である、という言葉が印象に残りました―「これだ!」と思ったからです。

 

リーガルマインドとは簡単に言えば、ある問題や議論に際して、

①社会的に見てより妥当な(=より皆が納得しやすい)解決策を見出し、

②それを合理的な根拠に基づいて論理的に説得する能力

であるとされています。

 

大学入試の記述問題で求められているのも、まさにこの能力ではないでしょうか。

 

大学は受験生を試そうと、一定の思考を要する難問をぶつけてきます。この難問に対して、勉強した知識をアピールしようと野放図に的外れな答案を書けば、いかにそれが論理的だろうと答案としての妥当性は低く、採点官を納得させることはできないため得点はありません。一方、いくら頑張って解答の糸口を見つけ出したとしても、それを論理的に展開させられなければ、採点官に対する説得力が無いためゼロに近い得点しか与えられません。納得と説得の両方を満たしている答案に対してのみ高得点が与えられる、というのが記述問題のルールです。

 

この中で私が強調したいのは「納得」の部分です。こうした難問を解くにあたっては、勉強した知識の中から正解を探すのでは一向に答えが見えず、そのような知識から離れてフラットに問題を捉えることで(こういう表現はあまり使いたくありませんが、わかりやすく言えば「常識的に考える」ことで初めて解答の糸口が見えるケースが多いからです。

 

思えば、私は受験生時代、目の前の問題を「知っているか知らないか」の二つに大別し、知っている知識から正解を探すことに執着して、もっと大きな視点で問題を見ることができませんでした。模試ではこれでも通用しましたが、大学の出す「良問」には立ち向かえなかったのです。

 

出来ることの全てを出し切った東進での浪人生活に悔いはありませんが、もし受験生の間に「リーガルマインド」について知っていたら、もしかすると結果は変わっていたかもしれないな、と、ふと思うことがあります。

 

皆さんには同じ失敗を繰り返して欲しくありません。今回お話ししたことを心の片隅に入れつつ、存分に勉強して、第一志望校合格を勝ち取ってください!